透析治療について
検査・治療への取り組み
合併症の早期発見・早期治療に努めています
透析毎に医師が回診に伺います。辛く不快な症状のご相談や治療に関する心配事、疑問点などお気軽にご相談下さい。
また、血液検査を月2回行い、貧血や高リン血症、二次性副甲状腺機能亢進症等の合併症に対しても迅速に対応しています。
透析患者さんは動脈硬化や骨異常など、生命や生活の質に影響する長期合併症を起こしやすいため、合併症の予防や早期発見が重要となります。慶寿会では下記の定期検査を行い、長期合併症の早期発見・早期治療に努めています。
心エコー:心機能異常の有無を調べます。
胸腹部CT:胸腹部にある臓器(肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓・肺など)の腫瘍性病変や結石などを調べます。
全身骨レントゲン:腎性骨異栄養症や透析アミロイド症の有無を調べます。
骨塩定量:骨密度を測定し骨粗鬆症の有無を調べます。
シャントエコー:シャントの血流量や血管狭窄の有無を調べます。
血圧脈波検査:ABI検査で下肢動脈の狭窄や閉塞の程度、CAVI検査で動脈の硬さを調べます。
必要時はSPP検査(皮膚灌流圧測定)も行います。
体成分測定:栄養評価の一環として、医療用の体成分分析装置を用いて筋肉量・体脂肪量等を測定します。
それぞれの患者様に合った透析治療を提供します
≪栄養状態の良好な方、活動的な方≫
透析治療には一般的な透析のほかに血液濾過透析という治療法があります。これは透析中に大量の補液を行いながら血液を濾過し、より多くの老廃物を取り除く治療法です。最近では無菌化した透析液を補充液として用いるオンラインHDFが主流となっています。この治療により通常の透析では取りきれない老廃物の除去が可能となり、合併症予防に繋がります。また、血圧の安定やかゆみ改善の効果が得られます。しかし、身体に必要な血液中のアルブミンというタンパク質も喪失しやすいため、低栄養の方やご高齢の方には不向きです。
≪低栄養の方、虚弱な方、ご高齢の方≫
透析により血液中のアルブミンが必要以上に喪失することがないように、透析治療に用いる人工腎臓の膜はアルブミン漏出を最小限とした膜を選択します。慶寿会では、低栄養の方、虚弱な方、ご高齢の方に適した身体に優しい透析を心がけています。
シャントトラブルでお困りの患者様に最適な治療環境です
≪エコー下穿刺≫
超音波診断装置(エコー)を用いてシャントへの穿刺を行う方法です。超音波の画像で血管の深さや走行を確かめながら穿刺することにより、難しい血管でも穿刺の成功率が高まります。
≪血管外科常勤医によるシャントのメンテナンス≫
当院では、定期的にシャントエコーを行い、シャントトラブルの早期発見に努めています。シャントエコーの結果は全て当院の血管外科常勤医が読影していますので、シャント外来に通院することなく血管外科医による継続的なメンテナンスを受けることが可能です。